いつだって、己との戦いだ。他者は気にするな。
過去の自分より、成長するべし・・・!
と心に誓って日々前に進んでいます。いこうとしています。
どうですか?
過去の自分と比べて。
まぁ追い込みすぎると逆効果なので、考えすぎず、けれども意識をもって。
と曖昧な部分が一番難しいかもね。
Illustration

ホルベイン水彩で描くあたたかな毛並みの表現
青い気配が紙を包みこむとき、
静かな息づかいが、そっと浮かび上がる。
雪明かりの影の中、
狼はまるで夢の境界に横たわるように、
あたたかな毛並みを揺らしながらこちらを見つめる。
湿り気を帯びた色たちが溶けあい、
水の粒がひらめきのように光る一瞬。
その短い“奇跡”を閉じ込めるために、筆は静かに走り出す――。
使用した画材(Materials)
- 絵具:ホルベイン水彩
- 紙:ホワイトワトソン
- 鉛筆:下描き用(H~HB程度)
- 筆:面塗り用+細部用
ホワイトワトソンの柔らかい滲みと、ホルベイン特有の鮮やかさが重なって、
今回の“赤みのある狼”のニュアンスを綺麗に受け止めてくれる構成です。
水彩で狼を描く手順|Wet in Wetで作る柔らかな空気感
① 鉛筆で下絵を描く(Light Sketch)
最初の線はあくまで“方向”だけを示すように。
狼の毛並みの流れ、顔の角度、視線の先をふわっと捉えることに集中します。
軽く、優しく。
紙に跡を残さないくらいの気持ちで。
② 背景を水だけで塗る|水を広げる“余白づくり”
筆に水を多めに含ませ、背景だけを軽く濡らします。
この段階では色は置かず、ただ水の膜をつくるだけ。
水彩特有の ウェット・イン・ウェット(Wet in Wet) の下準備。
ここで作った“湿度”が、あとで幻想的な滲みを育ててくれます。
③ 背景色をのせる|青と紫の寒色を中心に
濡れた背景に、淡い青、紫を落としていきます。
水の上で色が動き、自然な模様となって広がっていく瞬間は、
まるで絵具が勝手に冬を描いてくれるよう。
このにじみが、狼のまわりの静寂を演出します。
④ 狼の色をのせる|暖色で“命の熱”を描く
背景が冷たいトーンなので、
狼の毛には赤・オレンジ・黄系を中心にして、
暖かい呼吸が伝わるように色を重ねていきます。
毛並みは 方向性を意識して短いストローク で。
一本一本のタッチではなく、
“束になった毛の流れ” を描くイメージで進めると自然さが出ます。
鼻先の青、目元の深い影は、
冷気の世界と狼をそっと結びつけるアクセント。
色の意図|赤い狼を“青い世界”に置く理由
冷えた背景と、温度のある毛色。
このコントラストが、作品に物語を与えます。
- 背景は冬の気配
- 狼は生の熱、存在のぬくもり
水彩特有の滲みがそのまま感情につながり、
ただの写実ではなく “感覚で見る絵” に変わるのです。
完成した狼の印象(Impression)
色が溶けあった毛並みは、
風の中で呼吸しているみたいに揺らぎ、
その瞳は静けさと強さを秘めたまま、遠くを見つめている。
描いた線よりも、滲んだ色が語ってくれる。
そんな水彩の魅力がしっかり宿る一枚になっています。